Architect / 05
糸井裕構
ITOI HIRONARI / 株式会社sside一級建築士事務所
理のあるカタチの追求
森を歩けば、木々の緑が目に留まります。
葉っぱがゆらゆらなびいて心地良いですよね。
なぜ葉っぱは平べったいのでしょう。
葉っぱは効率よく太陽光を吸収するため平らなカタチをしています。
最終的にそのカタチに変化をしていったのですね。
燕が庭先に巣をつくって、卵がチラッと見えます。もうすぐ生まれるのかな。
動物の卵はかならず楕円形ですよね。
巣から転がり落ちないように楕円のカタチをしています。
進化の過程で変化したんですね。
世の中のカタチあるものはかならずそのカタチになった理由があります。
それは建築の世界でも同じこと。建築にもカタチの理由はあります。
敷地環境やそこに集う人々の個性
過去の脈略や未来の展望
その土地にしかない文化や価値観
そんな集大成がカタチとなって建築が生まれます。
なぜこの屋根の形状なのか
なぜこの方向に窓を造るのか
なぜ四角い部屋ではないのか
なぜなぜなぜ・・・
そんな疑問にぶつかりながら回答を模索します。
設計をはじめるもっともっと前の段階でその理由を見つける事が私の役目です。
形態に理由が無いのであればそれは「本物の建築」とは言えません。
その街のその場所でしか生まれないカタチになる事が「本物の建築」です。
一度葉っぱを手に取って眺めてみて下さい。
試行錯誤を経てのカタチ。
美しい形態。
理のあるカタチ。
私の建築からもきっと感じ取っていただけると思います。
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Dda
閑静な住宅街の一角に計画された住宅。
アングル形状の二つの外層で覆うことで生まれた空間をつなぎ合わせている。photo: Yoshihiko Ono
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flbo
水盤と吹抜けを中心に外部と内部を連続させて計画された住宅。
水盤に差し込む太陽光は、水面のゆらぎにより柔らかな光となり室内へ導かれる。photo: Taizan kamijo
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K.A.CUBE
閑静な住宅街にたつ住宅。
2つのキューブを組み合わせた構成とし、プライバシーの守られた外部の中庭とのつながりをもたせた配置計画。photo: Taizan Kamijo
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Rin
住宅密集地にたつ敷地面積12坪の狭小地の住宅。
玄関前のアプローチ部分に植栽のある前庭を配置することで、周囲との緩衝部分となり、プライベートとパブリックの中間的な領域とした。photo: Taizan Kamijo
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ウチソトノウチ
シンプルに3つの箱を土地の形状に逆らわずに配置した。
自然に配置したカタチのままに交差させ、余白となった敷地を内部に取り込む計画となっている。photo: Taizan Kamijo
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カキノキウメノキ
母屋のある敷地の一角に計画された住宅。
既存の樹木(カキ、ウメ)を残すこととし、それらを囲むような配置計画とした。photo: Masayoshi Ishii